2013年4月4日木曜日

Fagioli all'Uccelletto トスカーナの田舎風煮豆

いんげん豆の小鳥風という名前の、豆をトマトとセージで煮込んだ料理。
アルトゥージ(Pellegrino Artusi)の有名な著書「料理の科学と美食の技法 (La scienza in cucina e l'arte di mangiar bene) 」にも載っている古典的なトスカーナの郷土料理です。
Fagioli all'uccelletto, a classic recipe made of beans in a tomato sauce, originates in Toscana.
The name itself is quite peculiar as it literally means tiny bird style beans, and even though there is no meat in the dish, it looks like this name was given to it as it tasted like a similar dish made with hunting.

小鳥風という名前にちなんで・・というわけでもないですが、今日は原書にはない鶏のブロードを加えた現代版レシピです。
昔ながらのリチェッタに忠実に調理すると、飽食の時代においては物足りない味になってしまうことが多いため、少し現代風にアレンジします。
The ancient recipe might be too simple to taste for the present generation so I recommend to add the chicken stock in it to enrich the taste of sauce.
It is traditionally made with white cannelini beans, but it does vary from town to town, here you can make with very popular soy beans instead.

ところで鶏のブロードと書きましたが、巷のレシピ本などでわりと簡単に「ブロードを加え」などと書いてあったりしますが、実際のところみなさんはどうされているのでしょう?
実はイタリアでもちゃんとブロードをとって常備している家庭は少なく、たいてい顆粒やキューブの固形スープを使うようです。
動物系だけでなく、野菜のブロードやきのこのブロードなど、いろいろな種類の「ブロードの素」があります。

僕も固形スープは使いますが、別の料理の副産物で出来たスープが余ったら(まぁ余らすようにするんですが笑)ブロードとしてイタリア料理にも使いまわすようにしています。

例えば、我が家では鶏の手羽元で鍋料理(なんちゃって参鶏湯や博多水炊き)をよく作るのですが、先に手羽元を1時間ほどぐらぐら煮ておくと身離れがよくなって食べ易くなるし、骨からとてもいい出汁が出て、鶏がらスープを別にとる必要がないほど濃いスープがとれるので一石二鳥なんです。
さらにこのスープを全部鍋に使わずに後でラーメンスープやイタリア料理に流用すれば一石三鳥。
香味野菜と一緒に煮たわけではないのでブロードと呼ぶのもなんですが、化学調味料でできたブイヨンやがらスープの素なんかよりはるかに香り豊かで濃厚な鶏スープとして何にでも使い回しできますよ。

豆は日本ではあまり流通していないインゲン豆に代えて、日本人にも身近な乾燥大豆を使っています。
なので正確には Fagioli all'Uccelletto ではなく Soia all'Uccelletto です。笑
欧米では大豆をそのまま食用にすることは少なく、油を絞るための原料や家畜の飼料といった用途が大半なのですが、日本では昔から醤油や味噌、豆腐などに加工されたり、枝豆や納豆、もやし、煮豆などの食用として欠かせない栄養満点の食材ですよね。

Method

さて、作り方はとてもシンプルです。
まず乾燥豆は一晩水に漬けて戻し、1時間ほど下茹でします。
(水煮を使ってもいいですが、その場合、量は倍ぐらいみてください)
セージの香りをオリーブオイルに移してから豆と塩胡椒を加えて、フライパンを揺すりながらソフリットにし、鶏のブロードを加えて少し煮含めます。
トマトを加えて20分ほど煮込めば出来上がり。
ワインのつまみか肉料理のコントルノにどうぞ。

Soak the dried beans in the water overnight.
Simmer the beans until they are tender, for about 1 hour.
Heat the olive oil in a pot with the sage leaves, add the drained beans, season and saute for minutes.
Add the chicken stock to simmer for minutes to let the beans absorb the broth, add tomatoes, cook on a low heat until the sauce has reduced considerably and coats the beans thickly, for about 20 minutes.
Serve as a side dish or with a boiled meat.

Ingredients (4 servings)

乾燥いんげん豆(大豆)200g7 oz dried cannelini beans
(or dried soy beans)
トマト缶1缶1 14oz can whole tomatoes,
including the juice
セージ適量fresh sage leaves
鶏のブロード1カップ1 cup chicken stock
オリーブオイル適量olive oil
塩・胡椒適量salt, pepper

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

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4 件のコメント:

  1. あべべさん
    トスカーナの田舎風煮豆
    おいしそうです
    素晴らしいおまめの料理
    有難うございます
    うれしいです
    素晴らしいレシピに感謝です

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    1. りゅうじさん、ありがとうございます。
      若い頃は見向きもしなかった豆料理ですが、齢とともに大好物になりました。

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  2. BRAVISSIMO! 美味しそう!あなたは好きでしたか。私はソーセージと豆を作ります。赤ワインを飲むことができます。Davvero delizioso!

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    1. シエナ在住のラウラさんに美味しそうって言われるなんて嬉しいです。
      豆を煮た料理は日本人も大好きですよ、でもどちらかと言うと年輩者、若い人はあまり好きではないかもしれません。
      コントルノにもいいけど、このまま赤ワインのつまみにいいですね。
      ありがとう!!

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