2015年10月25日日曜日

Pappardelle con Crema di Champignon マッシュルームペーストのパッパルデッレ 焦がしチーズ仕立て

ブラウンマッシュルームを刻んでペースト状にしてチーズと生クリームでのばしたソースを幅広のパッパルデッレと絡めた秋らしい一皿。
乳製品の芳醇な風味に加えて、これでもかというぐらいきのこが香る、酪農が盛んな北イタリアの素朴な農家の味です。

きのこといえば秋の味覚を代表する食材ですが、四季が育んだ天然もののきのこなんて今の時代なにかと敷居が高いですよね。
松茸のようにやたら高価だったりなかなか手に入らなかったり、野生のものは汚れていて虫がたくさんついていたりするので下処理やアク抜きが大変だし、食用きのことよく似た毒きのこもあったりして素人採取はもちろん業者が扱うものだってどこまで信用していいかって話です。
その点、安全で清潔な栽培品種はやっぱり便利だし、品種改良によって原種より味も見栄えも良く完成されています。
通年手に入るため季節感に欠けますが、人間の脳にはきのこ=秋の味覚という情報が刷り込まれているため、この季節に味わって食べてみればやっぱり秋を感じるんですよねぇ。

日本には、椎茸やブナシメジ、エノキ、舞茸、エリンギなどたくさんの栽培きのこがありますが、世界でいちばん食べられている栽培きのこはシャンピニオン=マッシュルーム。
ヨーロッパ原産で、馬小屋の片隅のちょっと不衛生な場所に生えてくる原種きのこをフランスで人工的に栽培するようになり、それが世界中に広まったものです。
マッシュルームにはホワイト種とブラウン種がありますが、後者の方が原種に近く、きのこ特有の味も香りも強くいい出汁が出ます。
きのこにはグアニル酸というアミノ酸の一種=旨味成分が豊富に含まれていて、良い出汁の素にもなるんですよぉ。
日本では出汁の御三家は鰹出汁、昆布出汁、椎茸出汁。
これらの旨味成分はそれぞれイノシン酸、グルタミン酸、グアニル酸で三大旨味成分とも言われる出汁の基本。
単品で使ってももちろん旨みたっぷりですが、二種類以上の合わせ出汁にすると旨味の相乗効果でさらに美味しくなることが知られています。
旨味成分の存在が科学的に明らかになったのは19世紀に入ってから。
でも日本人は遥か古来より経験的にその存在を知っていたわけです。
味付けは薄くして出汁の旨味で料理を構成するというのは、諸外国には見られない和食だけの特徴であり本質でもあります。
和食が世界文化遺産に登録されたのも後押しし、日本語の "UMAMI"は今や世界で通用する言葉になりましたねぇ。

さて、今日のパスタはクリーム仕立てですが、乳製品にはグルタミン酸が含まれており、とりわけパルミジャーノのように熟成タイプのチーズは濃縮されたグルタミン酸が豊富です。
ブラウンマッシュルームのペーストには、前述したようにグアニル酸がたっぷり、つまり合わせ出汁効果で旨味が掛算的に増した絶品ソースに仕上がっています。
合わせるパスタはきしめんみたいに幅広のパッパルデッレ。
トスカーナ州のご当地パスタで猪肉などジビエのラグーと合わせるのが定番ですが、芳醇で濃厚な今日のソースともよく合います。

このままでもちろん美味しいけど、仕上げにもう一度パルミジャーノを削りかけてバーナーで炙ってみました。
熱でチーズが溶けて香ばしく焦げたところがグラタンみたい、ひと手間かければちょっと特別な日の演出にもなりますね。

Ingredienti (per 4 persone)

パッパルデッレ(生)700g
ブラウンマッシュルーム1パック
にんにく2片
白ワイン大さじ2
オリーブオイル適量
バター40g
生クリーム200g
パルミジャーノ40g
塩胡椒適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

マッシュルームは1/3をスライスし、残りの2/3を粗みじん切りにして オリーブオイル少量とともにハンドブレンダーでペースト状にします。
にんにくはみじん切り、パルミジャーノは粉状に削っておきます。

フライパンに少量のオリーブオイルをしいてごく弱火にかけ、にんにくのみじん切りを加えて香りを出します。
バターとブラウンマッシュルームのスライスを加えて、少し炒めてから白ワインを注ぎ入れて一旦強火で煮切ります。
マッシュルームのペースト、生クリームを加えて弱火で煮詰めます。

パスタを茹で始め、グルテンが十分に溶け出た茹で汁をレードルで2杯すくってフライパンに加えます。
表示より1分短く茹でたパスタをフライパンに移して、ソースの旨みをパスタに吸わせるようにマンテカーレします。
火を止めて塩胡椒とパルミジャーノを加えて混ぜ合わせます。
皿に盛って黒胡椒を挽き、もう一度パルミジャーノをかけてバーナーで炙ってチーズが溶けて焦げ目がつけば出来上がり。

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