2016年2月13日土曜日

Verdure di Primavera al Vapore 春野菜のヴァポーレ

冬と春が同居するこの時期ならではのほっこり野菜をせいろで蒸して、オリーブオイルとパルミジャーノで味を調えた、温サラダ仕立の春野菜のヴァポーレ。
春野菜といっても露地物の葉豆類などは本来まだまだ先、無理に季節を先取りしなくても春はやってきますので、この時期らしく冬から春への季節の移ろいを楽しみます。

二十四節気、いわゆる "暦の上では" というやつですが、それによると 立春から立夏の前日までが春とされていて、今年は 2月4日から5月4日までが春ということになっています。
2月はまだ寒いけどもう春なんですね。
二十四節気は太陽の黄道をもとに季節を春夏秋冬などに区分していて、夏至=太陽が高く昇って一年で最も昼間が長い日を夏の頂点、その逆の冬至を冬の頂点としているため、太陽の熱で大地が温まったり冷めたりする気温の周期はそれより少し遅れてやってきます。
気象庁では春は3月から5月と定義していますので、暦の方が1ヶ月ほど早いと感じるわけです。
旧暦では立春が一年の始まりとされ、立春に近い新月の日を元旦として1月が始まったので、1月から3月が春とされていました。
旧正月は今でいう2月中頃、つまり現代の1月と旧暦の1月とでは呼称は同じ1月でも時期がかなりずれているんです。
それでも旧暦の名残りで今でも正月のことを新春といったりしますし、七草粥に入るセリやナズナも春の七草、成人式も春の行事。
だから年が明けるともうなんとなく春という雰囲気になってきます。

商売の方もこれに合わせて、初売りが終われば売場は早くも春一色。
食品売場でも、年明け早々から菜の花や木の芽や山菜などが並び始め、春キャベツやレタスといった葉ものに、そら豆やグリーンピースなどの豆類、そして筍などもかなり早い時期から出てきます。
日本の農業技術が優れているのはもちろん、南から北へと産地をずらしながら出荷したり、輸入品も併用するなどして、早い時期から長い期間安定的に季節のものを供給できるよう、業界を横断した流通システムが完成されているからこそ。
野菜を育てたり里山で山菜を採ったりしたことのある方ならご存知かと思いますが、本来これらが獲れるのは総じて4月も半ばを過ぎてから。
早春のイメージのある山菜も、わらびやタラの芽などは春どころか初夏に近いゴールデンウイークの頃まで待たないと出ないですからねぇ。

さて、冬から春へのバトンタッチの時期は、こうした早獲りの春野菜が出てくる一方、冬の名残りの根菜類もまだまだ主役。
見た目は変わらなくとも、冬の寒さにあたってから収穫された新ものは冬場に出まわる秋獲りの貯蔵ものとはまるで別物。
甘みが強くみずみずしいのが特徴です。
名残りの冬と先取りの春が交錯した早春野菜は蒸し野菜にすると絶品。
野菜本来の甘みも苦みも全部閉じ込めます。

Ingredienti (per 4 persone)

新じゃが小6個
新にんじん中1本
ブロッコリー1房
アスパラ1束
にんにくごく少量
アンチョビ1/2尾
ワインヴィネガー大さじ1
オリーブオイル100ml
パルミジャーノ適量
塩胡椒適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

新じゃがは泥を洗って皮つきのままひと口サイズに、新にんじんは皮を剥いて乱切りに、ブロッコリーは小房に分けておきます。
アスパラは根元の硬い部分を切り落とし、下から1/3ほどの硬い部分をピーラーで皮を剥いて3等分します。
切った野菜には少量の塩をふっておきます。

ソースを準備します。
すりおろしたにんにくごく少量と刻んだアンチョビ、オリーブオイル、ヴィネガー、胡椒、パルミジャーノをボウルで混ぜ合わせておきます。

イタリアでは野菜はくたくたに火を通しますが日本だとしゃきっとした食感がある方が好まれます、蒸し時間はお好みで調整してください。
目安はじゃがいもとにんじんはそれぞれ30分、ブロッコリーの硬い茎が15分で花芽が5分、アスパラが3分ほど。
せいろの段を分けたり、時間差で材料を加えるなどして、蒸し上がりが同じになるよう調整して中火で蒸していきます。

野菜が蒸し上がったら温かいうちにソースと和えます。
味を見て塩気が足りないようなら塩を足します。
少し置いて味を馴染ませてから盛りつけ、胡椒を挽いてパルミジャーノを削りかければ出来上がり。

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