2016年3月26日土曜日

Calamarata al Nero di Seppia 甲イカのカラマラータ セピア色のいか墨ソース

短足で頭でっかちな姿が愛くるしい旬の甲イカとそのスミでセピア色に仕上げた、南イタリアっぽい雰囲気のいか墨ソースのパスタ。
バジリコの香りたっぷりのトマトソースをベースに、筒切りのイカの形がモチーフのパスタ "カラマラータ" を使ったところがナポリ風です。

いか墨料理といえばヴェネチアのいか墨スパゲッティが有名ですよね。
北イタリアなのに南の硬質小麦の乾燥パスタを使っちゃってるところが観光客向けに後付けで考案されたっぽいんですけどね。笑
ヴェネチアといえばヨーロッパでも屈指の観光都市、旅行者からすれば北とか南とかは関係なくイタリアに来たらまずは旨いスパゲッティでも食べようぜってなるので、水の都に相応しいインパクト抜群の名物料理として真っ黒なイカ墨スパゲッティはうってつけだったんでしょう。

ヴェネチア風があまりにも有名なのであれですが、本来イカ墨ソースに硬質小麦のパスタを合わせるのは南イタリアの港町あたりの郷土料理、それも漁師の家などで食べられる家庭料理といったイメージです。
いか墨ソースって黒くてわかりにくいけど実はトマトソースがベース。
というかほぼトマトソースそのもので、そこに新鮮なイカの墨をほんの数滴たらせばイカ墨ソースが出来上がります。
トマトをたっぷり使った煮込み料理、それも魚介の煮込み料理とくれば典型的な南イタリアの家庭の味ですもんねぇ。

ところでイタリアではイカ墨料理に使うのはこの甲イカと決まっています。
もちろんどんなイカにも墨はあるんですが、この甲イカは濃厚な墨をたっぷり持っていてスミイカの別名まであるほど。
今日使ったのは手のひらほどの可愛いサイズのもの二杯(お造りでも食べたので目減りしてます笑)ですが、スミは小さい方のイカの墨袋からほんの数滴たらしただけなんです。

甲イカはイタリア語で "Seppia"、いか墨の色=セピア色の語源。
真っ黒でなく南イタリアの太陽のような明るいセピア色に仕上げます。
ベースのトマトソースもバジリコがたっぷり入った南イタリア仕立て。
合わせるパスタも、いかにもナポリらしい巨大でくたっとした感じの、筒切りのカラマーリ(ヤリイカ)の形を模したカラマラータ。
このカラマラータは合わせる具材にもヤリイカを使うのがお約束という洒落っ気のあるパスタなんですが、セッピアのいか墨ソースならご本家ヤリイカに引けを取らないぐらい相性ばっちりですね。

Ingredienti (per 2 persone)

カラマラータ180g
甲いか中1杯
にんにく1片
玉ねぎ1/2個
ホールトマト1缶
バジリコの葉30枚
唐辛子1本
ローリエ1枚
白ワイン1/2カップ
オリーブオイル大さじ4
塩胡椒適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

甲イカは胴体の色が褐色をしている側のすぐ下に甲羅があるので、縦に包丁で切れ目を入れて甲羅を取り出します。
甲羅の下に内臓があるので、奥の方にあるスミ袋を破かないように注意しながら脚と一緒に引き出し、墨袋を小皿にとっておきます。
胴体は皮を剥いてひとくち大に切り分け、脚は目から上を切り落としてクチバシを取り除き吸盤などをよく洗います。

フライパンを弱火にかけてオイルをしき、みじん切りにしたにんにくと玉ねぎをソフリットし途中で唐辛子も加えます。
イカを加えてさっと炒めてから白ワインを注ぎ、強火でアルコール分を飛ばしてホールトマト、ローリエを加えて少し煮込みます。
バジリコの葉を手でちぎって加え、墨袋に楊枝で穴を開けてほんの数滴垂らしてセピア色のソースに仕立てて塩胡椒で味を調整します。

カラマラータを表示の時間よりも短く茹でてフライパンに移し、ソースを吸わせながらアルデンテにもっていきます。
皿に盛ってバジリコの葉を飾り、仕上げに香りの良いオリーブオイルをまわしかければ出来上がり。

※ prezzemoloさんの魅力的なブログ「イタリア料理ほんやく三昧」からイカスミに関する知見を多数引用させていただいております

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