2016年4月9日土曜日

Coratella in Umido ローマ風 豚のもつ煮込みコラテッラ

豚の胃袋を香味野菜のソフリットやワインヴィネガーで炒め煮にした、ちょっと酸味のきいたイタリア中部伝統のもつ料理コラテッラ。
イタリア料理はパスタにピッツァに魚介類というイメージもありますが本来はやはり肉、とりわけ内臓料理のバリエーションの多さに肉食文化の歴史と奥行きの深さを感じます。

内臓=ホルモンは好き嫌いが分かれる食材ですよね。
好きな人は中途半端に好きというより大概はとことん大好きという方が多いんじゃないでしょうか。
そんなモツ料理の中でもわりと定番なのが、デフレ初期に安くて旨いと一大ブームを巻き起こし、すっかり定着した博多風もつ鍋。
ぷりぷりの白いやつを口に含むと脂の旨みがじゅわーっとしみ出てきて噛みしめる度に幸せな気分になれちゃうし、お約束の〆のちゃんぽんも旨みたっぷりスープがもちもちの太麺に絡む至福の一品。
ガード下にありがちなレトロな店で路上にはみ出して食べるもつ焼きも情緒があっていいですよねぇ、串焼とともに大鍋にたっぷり仕込まれたちょっと煮詰まり気味のもつ煮込みも外せません。
巷のワインおやじやホルモンヌちゃん達ならトリッパのトマト煮込みとろとろのランプレドットに目がないはずです。
究極は胡麻油とにんにくで食べるレバ刺し、食品衛生法で店舗での提供が禁止されてからというもの、もう一度会いたいレバ刺しロス症候群が巷にあふれて社会現象にまでなりましたよねぇ。(なってません笑)

一方、苦手な方も徹底していて、見た目も食感も匂いも全部だめ。
わざわざそんな気持ち悪いものを無理に食べなくても、ほかに美味しいものがいっぱいありますしね。
でも、米や野菜を作り、魚を獲って暮らしてきた日本人にはそうでも、肉食が基本の西欧ではそうもいかなかったようです。
貧しかった時代には上等な部位の肉は貴族や資産階級が消費するので、庶民は残った硬い部位や内臓を主に食べていたそうで、下等なくず肉を少しでも美味しく食べようと工夫を凝らしたもつ料理が各地で生まれ、その土地の伝統料理として今に残ったりしてるわけです。

イタリアの内臓料理の代表はトリッパ(牛の第二胃袋)の煮込み
トマトで煮込むフィレンツェ風ローマ風が有名で、トマトが入らないピエモンテ風やヴェネチア風なんてのもあります。
ほかにもフィレンツェのランプレドット(牛の第四胃袋)のパニーニ、ピエモンテのフィナンツェーレ(鶏のトサカやレバーなどの煮込み)、ローマのパイアータ(乳飲み仔牛や仔羊の小腸)、シチリアのミルツァ(牛の脾臓=チレをラードで煮込んだもの)のパニーニ、羊の脳みそのフリットや牛テールの煮込みなど、ライトなものからちょっと無理そうなものまでいろいろ。笑

コラテッラとは牛よりも小さな小動物(豚、仔羊、鶏など)の内臓を炒めたり煮込んだりしたイタリア中部(ラツィオ、ウンブリア、マルケ州など)の伝統料理、とくにローマの下町地区のものがよく知られています。
ワインは赤も白も合いますよ、ローマっ子の地元産の土着品種チェサネーゼ、白なら庶民の超定番フラスカーティはいかがですか。

Ingredienti (per 2 persone)

豚の胃袋(ガツ)300g
にんにく1片
玉ねぎ1/2個
にんじん1/4本
セロリ1/4本
唐辛子2本
白ワイン1/2カップ
ワインヴィネガー大さじ3
オリーブオイル1/2カップ
ローリエ1枚
プレッツェ-モロ5枝
塩胡椒適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

豚の胃袋(ガツ)は下処理されたものを求めて、一度茹でこぼしてから水で洗ってザルに上げておきます。
にんにくや玉ねぎなどの香味野菜はみじん切りにします。

フライパンに多めのオイルをしいて香味野菜をソフリットします。
もつを加えて炒め、白ワインを注ぎ入れてアルコールを飛ばします。
ヴィネガー、唐辛子、ローリエを加え、もつがひたひたになるまで水を足して軽く塩をし、蓋をして煮込んでいきます。
煮込む時間ですが、短ければガツのこりこりとした食感が味わえるし、長く煮込めばとろとろに軟らかくなるので、お好みで。

塩胡椒で味を整えて、刻んだプレッツェーモロ(イタリアンパセリ)を散らせば出来上がり。

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