2016年5月1日日曜日

Risi e Bisi ヴェネト風グリーンピースのリゾット

熱々のブロードを注ぎ足しながら米とグリーンピースをことこと炊いた米どころヴェネト州の春の定番リゾット "リージ エ ビージ"。
精進料理の豆ご飯みたいですがバターとチーズが香ってとびきり旨い、グリーンピースの短い旬を味わう伝統的な一皿です。

グリーンピースって知名度があるわりに、普段から料理に使ったりすることがあまりない食材のひとつですよね。
冷凍のミックスベジタブルに入ってるので、お弁当などに使われてる方にはお馴染みかもしれませんが、嫌いという人も結構います。
子どもの頃にオムライスや焼売の上に乗っかってるパサパサしたやつを食べてトラウマになったという方も多いんじゃないでしょうか。
確かにアレはまずかった。笑

グリーンピースなんてカタカナの名前ですが要はえんどう豆のこと。
えんどう豆のうち未熟な状態で鞘ごと食べる品種群(さやえんどう)がお馴染みのスナップエンドウや絹さやで、鞘は食べずに中の豆を食べる品種(実えんどう)がグリーンピース。
大豆やいんげん豆のように成熟した豆を収穫し乾燥させたのではなく、豆は膨らんでいるけど未熟で軟らかい状態のものを食べるので、大豆を緑色のうちに若獲りする枝豆の食べ方と同じです。
旬を迎えたフレッシュのえんどう豆は、あのパサパサのやつとは違ってしっとりして甘みが強くとても美味しい豆なんですよ。

さて、水の都ヴェネチアが州都のヴェネト州の名物料理といえば新鮮な魚介類のフリットやイカ墨料理、鰯の南蛮漬け(サオール)、野菜ではバッサーノ産のホワイトアスパラガスやトレヴィーゾ産のラディッキオタルティーヴォなど地元特産品を使ったものが知られています。
パスタでは軟質小麦を手打ちして作る太くてうどんみたいなビーゴリ、いんげん豆のスープパスタ "パスタ エ ファジョーリ" など。
でも、有数の米どころヴェネト州ではパスタよりもリゾットの方が充実していて、とくにリージ エ ビージは春の風物詩として有名です。
"Risi" はお米、"Bisi" は"Piselli"=グリーンピースのヴェネト方言。
米も本来は不加算名詞なので "Riso" のはずなんですが "Risi" と複数形になっているのはこの地方の訛りなのかもしれません。

イタリアの米はアラブ人がスペイン経由で持ち込んだとされています。
そのスペインには有名な米料理パエリアがあるし、ほかにもフランス、ポルトガル、ギリシャなどで米が食べられています。
西欧の米料理は日本のご飯のような主食とは違って、野菜の一種としてスープやサラダなどに使われることが多いようです。
イタリアのリゾットは雑炊にも似ているしご飯ものに近い感覚のように見えますが、広義にはスープ料理の一種で、位置付けとしてはパスタと同じプリモピアット(第一のメイン料理)になります。

今年は5月5日が立夏なので暦の上では5月4日までが春。
旬が短い春の最終便グリーンピースを是非とも味わってみてください。

Ingredienti (per 2 persone)

1合
グリーンピース鞘付き200g
玉ねぎ小1/2個
パルミジャーノ適量
オリーブオイル大さじ4
ブロード1l
バター30g
塩胡椒適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

グリーンピースは鞘から取り出して水で洗います。
玉ねぎはみじん切り、パルミジャーノは粉状に削っておきます。
ブロードは固形スープの素でもいいですが、鶏がらスープや茹で豚などをしたときの煮汁をとっておいて流用します。

ブロードを鍋に張って火にかけ、弱火で熱々の状態をキープします。
別の鍋にオイルをしいて玉ねぎをソフリットします。
玉ねぎがしんなりしたら米を洗わずに加えて木べらで混ぜながら炒め、米が透き通ってきたらひたひたの量のブロードを加えます。

スープがさらっとした状態を保つようブロードを頻繁に注ぎ足し、鍋底が焦げ付かないようかき混ぜながら15分ほど炊いていきます。
お米に若干芯があるぐらいの状態で火を止め、バターとパルミジャーノを加えてさっくり混ぜてから塩胡椒で味を調整します。

数分休ませてからスープ皿に盛り付け、仕上げに溶かしバターを垂らしパルミジャーノと黒胡椒を挽きかければ出来上がり。

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