2014年10月11日土曜日

Sarde Marinate 秋の大羽鰯のマリネ

立派なサイズのイワシ いわゆる大羽鰯を三枚におろしてさっと〆めた 地中海風アンティパストの定番 マイワシのマリネ。
夏場に餌をたくさん食べてまるまると太り、とろけるほどに脂がのった秋のイワシは、高級魚にも引けをとらないほどとびきり美味です。

いわしに限らず、秋は青魚 いわゆる光ものが美味しい季節。
秋刀魚に戻り鰹に秋鯖と、どれも想像しただけで涎が出てきそうです。
江戸前寿司で光ものといえば大概は酢で〆めてありますが、これは青魚は足が速く、他の魚と比べて痛みやすいから。
青背の魚の英語での呼び名がブルーランナー、回遊性で泳ぐスピードも速く運動量が多いため、体内で多くの酵素が生成され腐敗が進みやすいのです。

酢〆めの工程ですが、まずたっぷりの塩をふって生臭さを水分とともに排出し、それから酢に漬けて身を締めます。
塩と酢の殺菌作用で腐敗の進行を遅らせてくれるというわけです。
イタリア料理のマリネも考え方は同じで、"Sotto Sale" ソット サーレ=まずは塩漬けにして次に "Sott'Aceto" ソット アチェート=酢漬け、そして "Sott'Olio" ソット オーリオ=オイル漬けにします。
ただし魚を生で食べる習慣がなかったイタリアの場合、身の中まで酸で真っ白になるぐらいしっかり漬け込んでしまいます。

さて、流通が発達した昨今では鮮度のいい青魚が容易に手に入るので、酢で〆めたりしなくても生のまま刺身で食べられますよね。
イワシは鱗がとれやすい魚で、漁であらかた剥がれてしまうのですが、店頭でウロコが所々残っているものは鮮度がいい証拠。
刺身で食べられるのに、しっかりマリネしてしまっては美味しさも半減しますので、さっとマリネして半生(ほぼ生)に仕上げます。

旬の時期なら高級魚にも負けない 極上の秋鰯。
身が大きいのでセコンドをいただくようにナイフとフォークを添えて、冷えた白ワインと共にどうぞ。


Ingredienti (per 4 persone)

マイワシ(大)4尾
白ワインヴィネガー50cc
オリーブオイル50cc
にんにく1/2片
ローリエ2枚
イタリアンパセリ5枝
塩・胡椒適量
レモン1/4個

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

マイワシはウロコがついていればとって、頭を落として腹を開きワタを取り除いて流水で洗います。
小ぶりのものは手開きで、大羽鰯のように大きいサイズのものは包丁を使って三昧におろし、薄皮を剥いで、両面に多めの塩をふってしばらく置きます。
イワシから水分が出てきますが、そのとき魚臭さも一緒に抜けるので、水でよく洗い流してから水気をふきとっておきます。

にんにくをスライスして、ワインヴィネガー、オリーブオイルとともにボウルに入れてスプーンでよく混ぜ合わせて乳化させます。
ジップロックなどにボウルのドレッシング、イワシ、ローリエを入れ、ドレッシングがよく馴染むように軽く揉んで空気を抜いたら、冷蔵庫で2時間ほど寝かせます。

マリネの漬け汁は捨ててイワシだけを皿に盛り、櫛形に切ったレモンを添えてエキストラヴァージン(分量外)をまわしかけ、粗みじん切りにしたイタリアンパセリを散らせば出来上がり。
かなり脂がのっているので、お好みで仕上げに軽く黒胡椒を挽くと良いアクセントになりますよ。

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1 件のコメント:

  1. 鮮度のいいいわしが手に入りにくいので秋刀魚でやってみます

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