2015年5月16日土曜日

Linguine al Concentrato di Pomodoro 濃厚トマトのパスタ アル ポモドーロ

普段のトマトソースにドライトマトのペーストを足して、トマトの味も色もぐんと濃く仕上げたパスタ アル ポモドーロ。
南イタリア風に玉ねぎのみじん切りすら入れないシンプルさ、見た目も鮮やかな3色のトリコローレが食欲をそそる一品です。

ひとくちにトマトのパスタといってもバリエーションは実に多彩。
いちばんシンプルなのがトマトソースだけの アル ポモドーロ ですが、他にも有名どころをざっと挙げてみましょうか。
まず地中海料理の三大アイテムが入ったナポリのプッタネスカ、茄子とバジリコとリコッタサラータがオペラのハーモニーを奏でるシチリアのノルマ風、ローマからはグァンチャーレと玉ねぎのアマトリチャーナに夏の風物詩の冷製ケッカ風にぴり辛のアッラビアータ、同じく唐辛子が利いたフィレンツェのカレッティエッラ、モッツァレッラとバジリコを乗せてオーブンで焼いたマルゲリータみたいなソレント風、ミニトマトで作るナポリのスカルパリエッロ、オリーブオイルの代わりにバターを使うボローニャのブッロ エ オーロ・・・ きりがないですね。笑
パスタに限らず、トマトソースはイタリア料理の基本であり家庭の味の定番ですからねぇ。

日本でよく見かけるトマトソースのレシピは大概玉ねぎのみじん切りを炒めるところから始まりますよね。
これは専門用語でソフリットと呼び、ラグーなどの煮込み料理に欠かせない旨みの素になるもので、玉ねぎの香味や甘みが加わることでトマトの酸味も和らいで奥行きのある上品な味になります。
でも南イタリアでは玉ねぎは入れない方が多く、トマトだけを煮込んで少しバジリコの香りをつけたものが飽きのこない定番の味。
ちょっとぐらい酸味が残っていても平気、それもこれも含めトマト本来の味を直球勝負で味わう方が好まれます。

ちなみにリストランテなんかだと、家庭的な料理をそのまま出すというわけにもいかないし、値段に見合った一皿に仕上げる必要があるので、シェフが手がけました的な感じを醸しだしてきます。
例えば南イタリアならではのトマトの加工品ポモドーリセッキ、つまりドライトマトをペーストにしたものを加えてみます。
トマト本来の味が凝縮された旨みと甘みの素で、いつものトマトソースに少し加えるだけでお店の味になるとよく言われますが、トマトの味も色も濃くなってトマト感が満載のリッチなソースになります。
使うパスタはぱつんぱつんのアルデンテに茹でたいつものスパゲッティと言いたいところですが、ちょっと高級なパスタを使ってみます。
言うまでもなくここに手打ちの生パスタはミスマッチ、乾燥パスタでは高級品の、硬質小麦の一大生産地プーリア州はカロリ社の上質な小麦の香りと食感が素晴らしいリングイネなんかいかがでしょうか。

白無地の皿、真っ赤なトマトのパスタ、深緑のバジリコがイタリア国旗の色トリコローレ、見た目でもしっかり演出します。
トマトソースだけの質素なパスタもこれならワンランク上の一皿として通用しますね。笑
トマトそのものの味を堪能するためチーズはかけないのがお勧めです。

Ingredienti (per 4 persone)

リングイネ500g
ホールトマト1缶
ドライトマトオイル漬け50g
にんにく2片
バジリコ10枚
オリーブオイル大さじ4
パスタの茹で汁レードル4杯
塩胡椒適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

使うトマトは夏ならフレッシュでもいいですが、トマトがいちばん美味しい季節に収穫し加工されたホールトマトの缶詰製品の方が、味も濃く品質も安定しています。
缶からボウルにあけて手で潰しながら皮や種を取り除きます。
ドライトマトはオイル漬けのもの5~6枚を粗みじん切りにします。
ホールトマトを足しながらハンドブレンダーでまずはペースト状にし、最後はさらさらのパッサータにします。

フライパンにたっぷりめのオイルをしき、にんにくのスライスを入れて弱火にかけます。
にんにくの香りが立ったらトマトを加えて中火で加熱します。
ふつふつと泡が出てきたら弱火にして20分ほど煮詰めます。
途中でバジリコの葉を手でちぎって加えます。

パスタを茹で始めて、グルテンが溶け出た茹で汁をレードルですくってフライパンに加え、小刻みに揺すりながらソースを乳化させます。
一旦煮詰まったソースがしゃばしゃば状になりますが、大丈夫です。
塩胡椒で味を調整します。
パスタは表示の時間より1分30秒早く上げてフライパンに移し、ソースをパスタに吸わせながらマンテカーレします。
もう一度味を見て、必要なら塩で味を決めます。

皿に盛り付けて黒胡椒を挽きかけ、バジリコの葉を飾ります。
香りのよいオリーブオイル(分量外)をひと垂らしすれば出来上がり。

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2 件のコメント:

  1. マッキーです、あべべさんいつもありがとうございます。
    引き続きリンクも繋げて頂きありがとうございます♬
    タイトルも“和洋折衷レシピ”のダジャレで恥ずかしいですが(笑)、
    ページデザインも調整しつつ、折を見て料理投稿していきますので
    ヨロシクお願いしまーす。

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    1. マッキーさんコメあざまーつ!
      ブログのタイトルって和洋折衷って読ませるんだったんですね〜どういう意味か質問しようかと思ってました。
      今後ともよろしくお願いします。

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