2016年2月20日土曜日

Paglia e Fieno al Prosciutto e Piselli 麦わらと干草のパスタ 春色のクリームソース

ごく普通の黄色のパスタを麦わらに、緑色のパスタを干草に見立てて、ハムとグリーンピースのクリームソースを絡めた麦わらと干草のパスタ "パッリア エ フィエーノ"。
牧歌的なネーミングがのどかなイタリアの田園風景を思わせる、古典的で田舎っぽい春の一皿です。

立春も過ぎて暦の上ではもう春、寒い日と暖かい日が交互にやってくる季節の変わり目でもあります。
巷のイタリアンでも今頃は春のパスタフェアといったところでしょう。
春のパスタといえば春の食材を使ったものが多いんですが、春野菜なら菜の花にアスパラに筍に山菜に豆類、魚介ではアサリなど貝類に飯蛸に桜海老、ホタルイカ、シラウオ ... もう全部美味しそう。笑
四季がはっきりしている日本は春の食材には事欠かないですね。

一方でイタリアではこのクリームソースの "パッリア エ フィエーノ"が春の定番パスタのひとつ。
二種類のパスタが混ざってるなんて余りものの寄せ集めみたい。笑
でもそうではなくて小麦色と緑色の二色のパスタが絡みあっている様を麦わらと干草に見立てた伝統的なパスタ料理。
イタリア語で "Paglia"が麦わらで "Fieno"が干草という意味、文字通り "麦わらと干草のパスタ" と呼ばれています。
この名前がいいですよね。
ゆっくりと時が流れる古き良き時代の田舎の風景が眼に浮かぶようで、ノスタルジーを感じる素敵なネーミングです。
イタリア人はこういう名前のつけ方ひとつとってもセンスあるなぁ。

二色のパスタですが、硬質小麦と水だけで作る南の乾燥パスタではなく卵を練り込んだ北イタリアの生パスタを使う方が一般的。
例えば今日のはタリアテッレという平べったいパスタですが、発祥地のエミリアロマーニャ州では、小麦粉に水と卵を加えて捏ねてから麺棒で薄く伸ばしたシート状の生地を作り、それをもとにパスタを打ちます。
タリアテッレもラザーニャもトルテッリーニも、ご当地パスタはみんなこの工程を経て作られます。
パスタの色が若干黄色っぽいのは生地に練りこまれた卵のせいですが、生地にほうれん草などを練り込んで作ると緑色のパスタができます。

さて、このパスタのどのへんが春らしいかというと、名前を聞いた限り麦わらも干草も春というより夏の風物詩だし、グリーンピースは春野菜とはいえ晩春から初夏の頃、緑色のパスタに練り込まれたほうれん草もクリームソースも冬のもの...あれ、全然春っぽくない。笑
それでも古くから春の定番とされているのは、春霞のようにふんわりとしたパステルカラーの彩りが春を連想させてくれるから。
三寒四温、寒いなかにも春の足音が聞こえてくる今の季節には、確かにこの淡い色調のクリームソースがぴったりはまります。

ちなみにイタリアでは、小麦色と緑色の二色のパスタを組合せた製品も売られていて(左下のもの)、製品名も "Paglia e Fieno"なんですよ。


Ingredienti (per 2 persone)

生タリアテッレ(卵麺)170g
生タリアテッレ(スピナチ)170g
ハム100g
冷凍グリーンピース120g
生クリーム300ml
牛乳300ml
バター20g
にんにくごく少量
パルミジャーノ適量
塩胡椒適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

ハムは短冊状に刻み、少しだけ使うにんにくはみじん切りにします。
フライパンを中火にかけてバターを溶かし、にんにくとハム、グリーンピースを軽く炒めます。

ちなみにイタリア産の冷凍ピゼッリはしっとり軟らかですごく甘い。
よく焼売や炒飯に乗ってるようなぱさぱさしたものとはまるで別物で、グリーンピースのイメージを一変させてくれます。

フライパンに生クリームと牛乳を加え、ふつふつしてきたら弱火にして塩胡椒で味を調整し、そのままパスタが茹で上がるのを待ちます。
茹でたパスタをフライパンに加えてクリームソースを絡め、火を止めて削ったパルミジャーノを加えて混ぜ合わせます。
皿に盛って胡椒を挽き、パルミジャーノを削りかければ出来上がり。

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