2016年7月16日土曜日

Melanzane a Barchetta 茄子のバルケッタ

夏の太陽をいっぱい浴びたみずみずしい旬の茄子をボートに見立てて、中身を詰めてオーブンで焼いた茄子のバルケッタ。
塩気のきいたケイパーとオリーブがアクセントになってワインのつまみにぴったり、冷蔵庫で冷たく冷やしても美味しい南イタリア食材ばかりで作る太陽の恵みの一皿です。

梅雨が明ければいよいよ夏本番、茄子が美味しい季節ですね。
日本ではナスは一年を通して手に入りますが、本来は夏野菜だけあってこの時期のものはやはり別格。
ぱんとしてぴかぴかに艶があって、はちきれんばかりのみずみずしさ。
手に取って頬ずりしたくなるほど美味しそうです。
(トゲで頬が傷だらけになるので頬ずりはしないでください 笑)

ナスはインド原産で日本には奈良時代に中国などを経由して入ってきたそうですが、イタリアにはアラブからまずシチリアに伝わりました。
その後はイタリア全土へと広まるわけですが、現在もシチリアはナスの一大生産地で、いろんな形や品種のナスが作られています。
茄子はトマトやにんにく、オリーブオイルとやたらと相性がいいため、南イタリア料理には欠かせない野菜のひとつ。
パスタソースはもちろん、ピッツァに乗せたり、茄子のパルミジャーナカポナータといった有名な茄子料理もあります。
肉質が軟らかく煮崩れしやすいため、かりっと素揚げにしてから料理に使うことが多いのが特徴。
それと独特のエグミがあるためアク抜きをしてから料理に使います。
日本の茄子はそれほどアクが強くないため、切り口が黒くならないよう切ったら水にさらす程度ですが、イタリアの茄子は塩をして長時間置くか重石をするなどして、しっかりアクを抜いてから料理に使います。
まぁでも多少はえぐみがないとナスの味がしませんけどねぇ。

さて、今日はそんな茄子の細長い形を活かした前菜バルケッタ。
イタリア語でボートや小舟という意味でナスをくり抜いて器に見立て、くり抜いた中身はトマトなどと一緒に詰物にしてオーブンで焼きます。
冷めても美味しい(というより焼きたての熱々で食べる料理でもない)ので、ホームパーティーなどで一品あると見栄えがしていいかも。

茄子だけでなくズッキーニやチコリ、サンマルツァーノのような細長いタイプのトマトなんかもバルケッタに向いています。
見た目の形だけでそう呼ばれているので、とくに詰める具材や調理法に決まりはなく、トマトやチコリは焼かずにサラダ仕立てにしてもいいしモッツァレッラとバジリコを乗せれば定番のインサラータカプレーゼもお洒落なバルケッタになりますよ。


Ingredienti (per 4 persone)

ナス中5本
サラダ油(素揚げ用)適量
トマト中2個
にんにく1/2片
塩漬けケイパー大さじ1
オリーブ大さじ2
バジリコ5枚
ローリエ1枚
アンチョビ1/2尾
乾燥オレガノ適量
塩胡椒少々
オリーブオイル適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

ナスは縦半分にカットしてヘタを落とし、細身の包丁かペティナイフで皮から4mmほど内側に切れ目を入れ、すぐに薄い塩水にさらします。
ナイフの刃先を持ってやると作業しやすく上手くできます。
次に切れ目に沿って大きめのスプーンで実をくり抜いて小角切りにし、外側の器とともに次の工程まで水にさらしておきます。

完熟トマトは沸騰した湯に数秒ひたしてすぐに冷水にとり、湯むきしてからナス同様に小角切りにします。
にんにくは粗みじん切りにし、オリーブはスライス、塩漬けケイパーはぬるま湯につけて塩抜きしておきます。

深鍋にサラダ油を注いで火にかけ、ナスの器を素揚げにしていきます。
あとでオーブンで焼くので、ここでしっかり火を通す必要はなく強めの中火で香ばしくかりっと揚げます。
器を揚げ終わったら小角切りにした中身も素揚げにします。

別のフライパンでオリーブオイルとにんにくを弱火にかけ、アンチョビを溶かすように木べらで潰し、揚げた中身のナスにトマト、ローリエ、ケイパー、オリーブ、ちぎったバジリコを炒め煮にします。
途中で乾燥オレガノをふり入れ、最後に塩胡椒で味を調整します。

ナスの器に具材を詰め、キャセロールに並べます。
オーブンを180℃で余熱し、キャセロールを入れて20分ほど焼きます。
常温に冷まして味を馴染ませれば出来上がり。
夏は冷蔵庫で冷たく冷やしても美味しくいただけます。

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