2017年2月11日土曜日

Paccheri al Ragu di Ricciola 中落ち鰤のラグーのパスタ パッケリ

半身で調達した寒ブリの中骨などについた身をスプーンでかき取って、トマトで煮込む賄い料理みたいな中落ちブリのラグーのパスタ。
照り焼きやぶり大根など濃い味付けで美味しいブリはトマトソースとも好相性、地中海で獲れるカンパチのラグーのようにオリーブやケイパーも加えた南イタリアっぽいソースでいただきます。

関東を中心に郊外型の大型店舗を展開している角上魚類という鮮魚店でよく魚介類を調達するのですが、新潟は寺泊港が拠点ということもあり築地とともに日本海から直送される近海ものが豊富で、安くて鮮度抜群なのでいつもたくさんの客で賑わっています。
ネタの大きな持ち帰り寿司が評判で、魚屋なのに寿司目当ての客も大勢訪れますが、スーパーではほとんど見かけないような種類の魚や小型の雑魚なんかも安く扱っていて、見てるだけでも楽しくなります。

そしてこの時期いつも対面コーナーにずらりと並ぶのがブリ。
ブリというと氷見の寒鰤などちょっと高級魚のイメージがありますが、ここでは鮭ぐらいのサイズの半身がなんと1000円とちょっと。
ブリと呼ぶにはやや小型とはいえこれはかなりの破格値です。
ここで言ってる半身とは背節と腹節の2本セット、じゃないですよ。
二枚におろされた片側の身がないだけで、頭も左右両側のカマもついて中骨や尾もそのまま、裏返せば丸ごと一本に見えちゃうやつです。
取り去られた片身は節取りされパックで売られていますが、背節と腹節の2本で先の半身と同じ値段になる計算。
つまりカマもアラも完全に原価ゼロのおまけというわけです。
今どきカマだけでもそこそこいい値段するし、ブリ大根用にアラだって売られているというのにねぇ。
もちろんそのまま買って帰るわけではなく、好みの調理法(刺身用とか筒切りとか皮はつけたままとか)で捌いてくれます。
アラも持ち帰ると伝えるのをお忘れなく。

さて、節取りされた寒鰤は刺身やブリしゃぶなどで堪能し、原価ゼロのおまけのカマやガンバラはもちろん塩焼きでいただきます。
そして昨夏にスズキでもやりましたが、中骨などについた身をスプーンで削ぎ取った中落ちはラグーにしてパスタで食べるのがお勧めです。
淡白なスズキでは頭や骨でとったブロードと白ワインで煮込んで魚介の旨みたっぷりに仕立てましたが、旨みが強いブリの場合はトマトソースなど味の濃いソースと組み合わせた方が互いが引き立ちます。
ブリそのものは地中海にはいませんが、ブリより温暖な海域に生息する同じブリ属の Ricciola(=カンパチ)が南イタリアでも定番食材。
姿も食味もよく似ているので、冬の味覚を代表するブリではありますがイタリア料理では地中海風に仕上げます。



Ingredienti (per 2 persone)

パッケリ200g
ブリの中落ち1カップ
にんにく2片
玉ねぎ1/2個
セロリ1/4本
オリーブ10粒
塩漬けケイパー大さじ1
ホールトマト1缶
ローリエ1枚
プレッツェーモロ5枝
オリーブオイル大さじ4
適量
黒胡椒適量
パスタの茹で汁レードル2杯

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
※パスタの茹で汁もソースの材料に記載するようにしました

Preparazione

ブリの中骨についた身をスプーンでこそげ取ります。
玉ねぎとセロリ、にんにくはみじん切り、塩漬けケイパーは水につけて塩抜きしておきます。

フライパンを中火にかけてオリーブオイルをたっぷりしき、香味野菜をソフリットします。
中落ちを加えて香ばしく焼き目をつけるように炒めて、ホールトマト、オリーブ、ケイパー、ローリエを加えて煮込んでいきます。
15分ほど煮たら一旦味を見て塩胡椒で調整します。

パスタを茹でグルテンが十分に溶け出た頃合いの茹で汁をフライパンに加えてソースをのばします。
パスタは表示よりやや早めに上げソースを吸わせながら煮含めます。
もう一度味を見て必要なら塩胡椒で調整、皿に盛って黒胡椒を挽きかけ粗みじん切りにしたプレッツェーモロ(イタリアンパセリ)を散らし、オリーブオイルをひとまわしすれば出来上がり。

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