2017年3月4日土曜日

Spaghetti ai Carciofi e Piselli カルチョーフィとピゼッリの春パスタ

イタリアではポピュラーな食材カルチョーフィ(アーティチョーク)とピゼッリ(グリーンピース)を鶏のブロードで蒸し煮にして、パスタの粉の甘みが引き立つ優しいソースに仕上げた一皿。
地中海原産のカルチョーフィは独特の苦味や食感が特徴の春を代表するイタリア野菜、あちらでは春の香りのするパスタになります。

硬いぎざぎざの笠のようなものに覆われた、松ぼっくりみたいな不思議野菜カルチョーフィ(アーティチョーク)。
原産地は地中海沿岸、古代ローマ時代にシチリアあたりで栽培され食用にされていたのが始まりだそうで、中世の頃には現在のイタリア各地やフランスなどに拡がっていったという歴史の古いイタリア野菜です。
和名はチョウセンアザミで日本にも自生するノアザミなどの仲間。
ずんぐりとした楕円形の若い花の蕾が食用になります。
松笠みたいなのは花のガクにあたる部分で、これは硬くて食べられないのでどんどん剥いていき、原型のほぼ九割近くが生ごみになったんじゃないかと思える頃にようやく軟らかい芯の部分が表れます。
ガクの根元が幾層にもなってちょっと筍の穂先のようにも見えますが、見た目だけでなく、下処理に手間がかかりアクが強いところや生ごみが大量に出て可食部が少ないところ、さらには味や食感までもが筍によく似ています。

たけのこの場合は生ごみも出ず手軽で便利な水煮が売られていますが、同様にカルチョーフィもオイル漬けの瓶詰め製品があります。
前菜としてそのまま食べても美味しいし、ブルスケッタみたいに何かにトッピングしたり、肉料理の付け合わせにもよく使われるし、もちろんパスタなどの具材に使っても美味しい。
日本のように店頭でカルチョーフィなどまず見かけることがないなら、なおさらこのオイル漬けを使う機会の方が多いですよね。
筍に似た味と書きましたが、茹でたブロッコリーの茎のようでもあり、ふかした芋や、枝豆やそら豆のような青っぽい香りもあります。
これが多くのイタリア人を虜にしてるんですねぇ。

さて、カルチョーフィの旬は実は春と秋の二度ありますが、春のお祭りとの関連性なんかもあって春のものいうイメージが圧倒的。
独特のえぐみや苦味は山菜や他の春野菜と同様まさに春の味わいです。
ブロードで少し煮含めてあげると尖った苦味が少しマイルドになって、同じ春野菜のピゼッリで甘みを加えたり板状に削ったパルミジャーノで芳醇な風味もプラスすれば味のバランスがとれた一皿になりますよ。




Ingredienti (per 2 persone)

スパゲッティ250g
カルチョーフィのオイル漬け200g
冷凍グリーンピース100g
にんにく1片
唐辛子1本
鶏のブロード1カップ
パルミジャーノ適量
オリーブオイル100ml
適量
黒胡椒適量
プレッツェーモロ5枝
パスタの茹で汁大さじ2杯

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください
※パスタの茹で汁もソースの材料に記載するようにしました

Preparazione

オイル漬けのカルチョーフィは大きいものはひと口サイズにカットし、鶏のブロードは鍋物用にとった鶏がらスープを流用します。
にんにくは包丁の腹で潰し、プレッツェーモロ(イタリアンパセリ)は粗みじん切りにしておきます。

フライパンにオリーブオイルをしいて中火にかけ、にんにくと唐辛子を加えて香りを出します。
カルチョーフィ、グリーンピースを加えて鶏のブロードを注ぎ、塩少々を加えたら蓋をして10分ほど蒸し煮にします。

パスタを茹でグルテンが十分に溶け出た頃合いの茹で汁をフライパンに加え、フライパンを小刻みに揺すってソースを乳化させます。
パスタは表示よりやや早めに上げソースを吸わせながら煮含めます。
もう一度味を見ながら塩胡椒をふり皿に盛ります。
黒胡椒を挽きかけ、プレッツェーモロ(イタリアンパセリ)を散らし、大きめの板状に削ったパルミジャーノを乗せます。
仕上げにオリーブオイルをひとまわしすれば出来上がり。

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