2017年6月3日土曜日

Millefoglie di Filetto con Rucola e Parmigiano 牛フィレ肉のミルフィーユ仕立て ルコラとパルミジャーノ添え

レアに焼いた牛フィレ肉にルッコラと板状のパルミジャーノを添えて、塩胡椒とオリーブオイルでいただくオーソドックスな一皿。
大皿でどーんと豪快に出すのもいいけど、たまには小さいポーションでミルフィーユ仕立てなんてのも華やいだ感じになりますね。

今日の牛フィレ肉のミルフィーユ仕立てルコラとパルミジャーノ添えはわりとタイトルが長い方なんですが、名前が長いといえばレストランのメニューも長いものが多いですよね。
肉ひとつとっても単に牛フィレとかじゃなく接頭語に産地やブランドがついてどこどこ産なんとか牛のなんちゃらですからねぇ。
とくに高級な店の料理ほどやたら長いというのが定説です。笑
そして料理を構成する要素=主な素材のほか、どんな調理法(煮るとか焼くとか)で、どんな味付け(辛いとか甘いとかなんちゃらソース等)なのかが名前に入ってるから長くなるんですね。
メニューに写真も載せれば簡単な名前で通じるのに、高級なレストランほど字だけのメニューがお好きなようで必然的に名前が長くなります。

このブログでも、例えば鱸のカルパッチョオレンジとケイパーのソースとか、西洋梨のオーブン焼きゴルゴンゾーラと蜂蜜添え、なんてわりと長めのものがありますが、素材と調理法と味付けまで名前に盛り込むとどんなに簡潔に書いてもこれぐらいの長さにはなっちゃいます。
逆に昔ながらの伝統料理や定番料理は使う素材も調理法も味もだいたい決まってるので名前が短くていいわけです。
例えばトスカーナ州の郷土料理ペポーゾは粒の黒胡椒がぴりっときいた牛肉の赤ワイン煮込み、シチリア料理のカポナータは茄子を中心とした夏野菜の炒め煮で酢豚みたいに甘酸っぱい、という具合。
パスタも名前が短いものが多くて、カルボナーラアマトリチャーナボロネーゼジェノベーゼもみんな説明不要の定番料理です。

今日の料理ではメイン素材が牛フィレ肉でルッコラとパルミジャーノが添えてあるのはいいとして、ミルフィーユ仕立てが何かって話ですが、ミルフィーユというのはフランス語で千枚の葉という意味で、狭義にはパイ生地とクリームを何層にも重ねたスィーツを指しますが、料理では例えば豚肉と白菜のミルフィーユ鍋を想像してもらえばわかるように、異なる素材を薄く何層かに重ねるというニュアンス。
つまり調理法とか味とかではなく見た目を説明してるんですね。
でも大丈夫、牛肉にルッコラとパルミジャーノが添えてあるというのはイタリアのステーキ料理=タリアータなんかの定番スタイル。
つまりこれは、牛フィレ肉のタリアータにルッコラとパルミジャーノをミルフィーユ状に重ねて盛り付けた料理だということがわかります。
メニューにこういうネーミングを見つけて想像力を働かせるというのは客がシェフの意図を推しはかるちょっとした嗜み。
メニューに料理の写真が載っているとこのゲームは成立しませんので、文字だけのメニューにもそれなりに意味があるってことですね。

さて、シンプルな料理ほど手抜きは厳禁。
とくに肉を焼くというのは中身の焼け具合が見えないだけに難しさもありますが、初心者に限って勝手に手順をはしょったり自己流にアレンジしたりする傾向があります。
レシピに書いてあることは全部そうする意味があるので、はしょってはいけません。
肉はあらかじめ冷蔵庫から出して常温にしておくのが常識だし焦げて雑味にならないよう下味の塩胡椒はしないのと、焼いたあとは肉汁が暴れている状態なのですぐにナイフを入れてはいけません。
盛り付けもきちんと丁寧にやれば見栄えも全然違ってきますね。

Ingredienti (per 2 persone)

牛フィレ肉150g
ルッコラ1/2束
パルミジャーノ適量
オリーブオイル適量
にんにく1/2片
適量
黒胡椒適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

肉は焼く1時間ぐらい前に冷蔵庫から出しておきます。
150gと書きましたが焼くのは最低でも400gぐらいのブロックです。
鉄製のフライパンにオリーブオイルをたっぷり注いでごく弱火にかけ、包丁の腹で潰したにんにくを加えてじっくり香りを出します。
にんにくを取り出し、強火にして肉を下味をつけずに置き入れ、トングで転がしたり立てたりしながら全面に焼き目をつけていきます。

かたまりが小さいのでフライパンだけで、肉を指で押してみて水っぽくなく適度な弾力が感じらるようになるまで焼き上げます。
焼けてすぐは肉の中で肉汁が暴れている状態なので、少し休ませてから塩胡椒をして7mmほどの厚さにスライスしていきます。

皿にセルクルを置いて肉を何枚か置き入れ、その上に刻んだルッコラを重ね板状に削ったパルミジャーノを乗せたらセルクルを外します。
黒胡椒を挽きヴァージンオイルをたらしかければ出来上がり。

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