2017年7月30日日曜日

Insalata Siciliana di Patate e Capperi 北あかりとケイパーのポテサラ シチリア風

栗のように濃蜜色で甘くほくほくした食感がポテサラ向きの北あかりをアンチョビ、赤たまねぎ、ケイパー、ミントの葉といった素材と和えたシチリア風のポテサラ。
昔は脇役でしかなかったポテサラも今や酒のつまみとして人気の定番、ワインなら赤でも白でもいけそうな一品です。

ポテサラってちょっと懐かしいレトロなイメージがありますよね。
潰したじゃがいもに玉ねぎのぴりっとした辛味ときゅうりやにんじんが彩りよく入って、マヨネーズで和えるのが古典的なポテサラの定番。
家庭によって入れる具材や味付けが多少違いそれぞれの味があったり、そのまま食べるのがいいい人や、ちょっと醤油を垂らすのが好きな人、いやいやポテサラにはウスターソースでしょって人など好みの食べ方もいろいろあって、なかなか愛すべき一品なんですよねぇ。

昔はあくまで添えものというか脇役で、アイスクリームディッシャーでゴルフボールみたいに丸く成形して、生姜焼き定食のキャベツの脇とかコンビネーションサラダ(このネーミングもめっちゃ懐かしぃなぁ笑)に乗ってたりしましたよねぇ。
ところが今やポテサラといえば居酒屋のつまみメニューとしても存在感抜群でちょっとしたブームにもなっています。
王道レシピだけでなく具材や味付けを工夫して生クリームでなめらかにしたものや、ベーコンの燻香やチーズの熟成味を加えたもの、隠し味にワサビをきかせたものなど、まるで創作料理みたいに斬新なアレンジが加えられたオリジナルのポテサラを看板メニューのひとつに挙げる店も結構あって、テレビや雑誌で特集が組まれたりするほどです。
まぁ、なかには名前こそポテサラだけど実態は肉盛りでびっくりとか、ポテサラに衣をつけて揚げた天ぷらとか、奇をてらい過ぎたメニューを出す店もあるようですが。笑

ポテサラがなぜ今ブームなのかって話ですが、その背景には長く続いたデフレ経済の影響で昭和世代のサラリーマンやおやじ衆がハイボールやホッピーといった安くてレトロなスタイルの飲み方に回帰し、つまみもこれに合わせてハムカツやナポリタンといった懐かしい雰囲気のものが好まれるようになったからだと考察しています。
ポテサラなんかはまさにどストライクですもんねぇ。
そしてこの昭和回帰の流れはおやじ衆だけのブームにとどまらず、平成生まれの若い世代にはかえって新鮮に映り、レトロなスタイルの飲み方は老若男女問わず受け入れられ支持されたというわけです。
おりしも今は手料理レシピを誰でも簡単にネットに公開できる時代。
ポテサラはアレンジがしやすいベーシックな料理なので、店だけでなく家庭の若い主婦層も競ってポテサラレシピを発信したりしてますよね。

さて、ちょっと意外なんですがイタリアにも日本のようにマヨネーズで和えたポテサラ=インサラータルッサという料理があります。
マヨネーズはもともとフランスが発祥で肉料理にかけるためのソース。
フランスと隣接するピエモンテ州には茹でた仔牛肉にツナとマヨネーズのソースをかけて冷たくしたヴィッテロトンナートという夏の郷土料理がありますし、インサラータルッサもこの地方の料理。
でも実はインサラータルッサとはロシア風サラダという意味。
フレンチの影響を受けたイタリアの郷土料理なのにロシア風というのも変な話ですが、ポテサラとはもともとロシア料理なんでしょうか。
もしくは世界でいちばんマヨネーズを消費しているというロシアを揶揄してそう呼んでいるのかもしれません。

ポテサラはイタリア全土で食べられますが、マヨネーズよりオリーブオイルとヴィネガーで和える方が一般的、ごく少量のにんにくとアンチョビも加えてコクを出してあるので、ワインのつまみにもぴったりです。
今日のようなシチリア風ならシチリアの土着品種のワインを厚底ガラスのコップかなにかでぐいっと飲りたくなりますね。

Ingredienti (per 4 persone)

じゃがいも(キタアカリ)4個
粗塩適量
赤たまねぎ1/2個
塩漬けケイパー大さじ4
にんにく1/2片
アンチョビ1/2尾
白ワインヴィネガー大さじ2
オリーブオイル80ml
ペパーミント2枝
黒胡椒適量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

キタアカリはタワシで泥を洗い、にんにくはすりおろし、赤たまねぎはスライス、塩漬けケイパーは水に浸して塩抜きしておきます。

小さめのボウルにアンチョビを置き入れてスプーンで潰し、にんにく、ケイパー、ワインヴィネガー、オリーブオイル、塩ひとつまみと黒胡椒を加えてよく攪拌し乳化させてドレッシングを作ります。

じゃがいもを皮つきのまま塩を加えた湯で竹串がすっと通るぐらいまで茹でて、粗熱がとれたら皮を剥いてボウルに移し、熱いうちに木べらでざくざく切るようにして潰します。
赤たまねぎとドレッシングも加えてよく混ぜ、味を見て塩胡椒で調整しそのまましばらく置いて味を馴染ませます。
常温でもいいですが、粗熱をとって冷蔵庫で冷やしても美味しいです。

皿に盛り頃胡椒を挽いてミントの葉を散らせば出来上がり。

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