2017年11月19日日曜日

Crostini con Noci e Gorgonzola ゴルゴンゾーラと胡桃のクロスティーニ

クロスに合わせて格子状に焦げ目をつけたバゲットにゴルゴンゾーラを乗せて、トースターの天火でチーズがとろけるまで炙るだけの秋の簡単おすすめクロスティーニ。
青かびチーズと相性がいい胡桃を軽くローストして乗っけるのが定番、お好みで蜂蜜をたらしても美味しい秋の夜長の良きおつまみです。

食材の組合せでやたらと相性の良いもの、いろいろありますよね。
このブログはイタリア料理のブログですので、レシピはもちろんのことイタリアの地方や歴史のこと、食材にまつわる話や季節のことなんかを思いつくまま書かせてもらっていて、テーマが定番料理だったりすると相性の良い食材の組合せだったなんてことも多いわけです。
最近の記事では白いんげん豆とツナがそうです。
でも、豆の定番料理といえばやはりサラダよりも煮込み料理。
からの豆の煮込みといえばセージが欠かせません。
セージの素朴な香りはバターと相性がいいのでブッロエサルビアという溶かしバターにセージの香りをつけたソースを肉料理などに添えたり、ニョッキなどのパスタのソースにするのも定番です。
他にも空豆とペコリーノアスパラガスと卵タコとセロリ、生ハムとメロン(洋梨や無花果などでも)、茄子にトマトにバジリコ、日本人が大好きな魚介のスープにサフランなど挙げればきりがありませんね。

食材どうしだけでなく料理とソースの相性も大事。
イタリア料理ではフレンチのようにソースのバリエーションの豊富さや凝ったソースというのもそうないですが、一方でイタリアの国民食ともいえるパスタとソースの相性となると一筋縄ではいきません。
ソースの味の濃淡によって、またソースの粘度によっても絡みやすさが違ってくるので、主にパスタの太さや形状がソースと合ってるかなどが考慮されたりしますが、もっと大事なのが地域性。
イタリア人はとくに故郷の味にはうるさく、地域性を無視した組合せはまず受け入れられません。
例えばナポリのパッケリとかプーリア州のオレキエッテ肉のラグークリームソースに仕立てたり、卵を練り込んだ手打ちのタリアテッレをこてこてのボンゴレマキアートタコのラグーに合わせるなんてことをやらかしてはだめなんですね。
硬質小麦と水で作る南の乾燥パスタには南の、軟質小麦と水に卵が入る北の手打ちパスタには北のソースがやっぱり合うんです。
地域性といえば料理とワインもそうですよね。
いわゆるマリアージュ、イタリア語だとアッビナメントといいますが、その土地のものどうしを合わせると妙にしっくりきたりします。

逆に相性の悪い組合せというのも当然ながらあります。
日本では天ぷらとスイカ、鰻と梅干なんてのは昔から食べ合わせが悪いとされてきましたよねぇ。
イタリアでは、創作系のレストランや都会に住む若い世代などはあまり気にしないかもですが、食に対して保守的な年配者や田舎に暮らす人々などが忌み嫌う組合せというのがあります。
相性の良し悪しというより敬遠される可能性があるのでしない方が無難というレベルの話ですが、やるにしても知らずにやらかしてしまうのと知っていてあえてやるのとでは話がまるで違うので、知識として知っておくにこしたことはありません。
その敬遠される組合せとは、肉(乳製品)と魚介の組合せ。
一般的に、肉と野菜はお互いの良さを引き出し合う相性抜群の組合せ、野菜と魚介は魚臭さが野菜に移る場合などがあってケースバイケース、魚介と肉(乳製品)は最悪で、味が混ざると気持ち悪いので一緒に料理しないし、別々に調理したものであっても前菜の盛合せなどで同じ皿に盛られるのが嫌、もっといえばコース料理で前菜に肉(魚)をとったらパスタもメインも肉(魚)で通すというほど徹底しています。
同じ海に囲まれた国どうしですが、昔から魚や農作物などを主菜にして魚の生臭さとも上手に付き合ってきた日本人と、そもそもが狩猟民族で肉が主食だったイタリア人とでは、隔たりがあるのも当然です。
そういうことを知らずに、イタリア旅行などで例えばボンゴレのような魚介ソースのパスタに粉チーズをばんばんふりかけたりすると、周りの客やカメリエーレから怪訝そうな目で見られちゃうわけですね。

さて、ゴルゴンゾーラはクセが強いので単品で食べるより何かと一緒に食べる方が美味しく感じるため、相性が良いお友達がたくさんいます。
胡桃や蜂蜜はあらためて言うまでもないですし、梨などとも相性がいいのは以前の記事「西洋梨のオーブン焼きゴルゴンゾーラと蜂蜜添え」や「和梨とゴルゴンゾーラのピッツァ」などでも書いています。
溶けたバターがチーズに浮いた感じもたまらなく美味しいので、今日はバゲットにオリーブオイルではなくバターを塗って、ゴルゴンゾーラを乗せてチーズがとろけるまで炙ってみました。
バゲットにはあらかじめ、ちょっと焦げ過ぎかなというぐらいしっかり焦げ目をつけておくのがイタリア風です。

Ingredienti (per 2 persone)

ゴルゴンゾーラ80g
胡桃ひとつかみ
バゲット1/3本
バター適量
蜂蜜適量


Preparazione

バゲットをスライスしよく熱したグリルパンに押し付けるように乗せてちょっと焦げ過ぎかなというぐらいしっかり焦げ目をつけます。
通常は斜めにつけるのですが、今日のようにギンガムチェックのクロスに合わせて縦横の格子状につけてもお洒落ですね。
いずれにせよブルスケッタやクロスティーニではパンに真っ黒の焦げ目をつけることが大事です。

胡桃はフライパンで軽く炒っておきます。
ゴルゴンゾーラは10gぐらいづつに切り分けておきます。

焦げ目のついたバゲットにバターを少量塗り、ゴルゴンゾーラを乗せてトースターでチーズが溶けるまで焼きます。
胡桃を乗せてお好みで蜂蜜を垂らしかければ出来上がり。
塩も胡椒も必要ありません。

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