2017年9月9日土曜日

I Pate Fatti in Casa 自家製ソーセージのパテ

粘りが出るまで捏ねた豚の挽肉を香辛料や赤ワインで一晩マリネして、テリーヌの型に詰めてオーブンで蒸し焼きにした、ちょっとフレンチの香り漂う自家製ソーセージのパテ。
焼き上がったら重石をするのは流れ出た肉汁や旨みをパテに戻すため、そのまま冷蔵庫で味をなじませて三日目ぐらいが食べ頃です。

パテドカンパーニュ=田舎風パテといえば、ちょっとしたビストロなら必ず置いてあるというほどの前菜の定番。
豚肉のミンチに背脂やレバーを混ぜたものが一般的ですが、鹿肉などのジビエを使ったものや、野菜や木の実を練り込んで切ったときの断面に変化をつけたものなどいろいろなバリエーションがあります。
店によってはレバーが多めとか食感の滑らかさにこだわったものなど、見た目は同じように見えても店の個性が如実に表れる料理。
寿司屋で最初に卵焼きを注文するのと同じように、まずは前菜にとってその店の実力を推し量ってみたい一品です。
合わせるワインは白も悪くないんですが、やはりタンニンが強すぎないミディアムボディの赤ワインが好相性。
傍に添えてあるソースはつけずに先ずそのまま食べてみたい、黒胡椒をしっかり挽いただけでめっちゃ美味しい最強のワインのつまみです。

パテとは、本来は肉(に限らず魚介や野菜でも)のミンチをパイ生地で包んで焼いたものを指し、パイ生地ではなくテリーヌ型に詰めて焼いたものは本来はテリーヌと呼ぶそうです。
つまり私たちが普段イメージしてるこの四角いやつは、パテというよりどちらかというとテリーヌなんですね。
とはいえどっちがどうとかいう境界はご当地フランスでも結構曖昧で、どちらの呼び方も使うしどっちでも通用するようです。
日本ではパテドカンパーニュの名が広く知られるようになったせいか、テリーヌよりパテと呼ぶ方が通りがいいですよね。

パテはフランスのすぐお隣イタリアでもおなじみの前菜。
イタリア語でもパテはパテ、テリーヌはテリーナと発音します。
ただしイタリアではムース状のものもパテと呼びます。
フレンチでいうリエットのことですが、肉のミンチを軟らかく煮詰めてペースト状にしたもので、バゲットなどに塗って食べるあれです。
イタリアではトスカーナ風の鶏レバーペーストのクロスティーニとか、ヴェネト風のバッカラマンテカートなんかが有名です。

さて、パテをイタリア風に作るならソーセージ=サルシッチャの中身を手作りしてココットやテリーヌ型に詰めて焼くのがお勧め。
ソーセージの語源でもあるセージは必須で、他にもフェンネルシードやローズマリーなどのハーブにおろしたにんにくと赤ワインで一晩マリネするのがソーセージの仕込みの基本です。
これを豚の腸に詰めて等間隔に捻ったものが私達もよく知るソーセージの形なんですが、イタリアでは腸詰めにしたものがソーセージではなく香辛料やワインでマリネした豚肉のミンチそのものがソーセージ。
粘りが出るまで練ると焼き上がりはふんわり軟らかいのとは真逆でずっしり焼き固まって無骨な感じに仕上がるんですが、そこがまたイタリアっぽいんですよねぇ。

ソースもあまり凝ったものは似合わないので、シンプルにマヨネーズを生クリームでのばしただけのものを添えてみます。
もちろんソースなどつけずにそのまま食べても美味しいですね。

Ingredienti (per 4 persone)

豚挽肉500g
1個
にんにく1片
フェンネルシードひとつまみ
セージ2枝
ローズマリー1枝
ローリエ3枚
赤ワイン50ml
粗塩適量
黒胡椒適量
per la Salsa
マヨネーズ大さじ2
生クリーム大さじ1
にんにくごく少量
粗塩ごく少量

※分量は一応の目安なので味見しながら作ってください

Preparazione

にんにくはすりおろし、フェンネルシードはすり鉢ですり潰すか包丁で細かく刻んでおきます。
セージは生葉ではなくドライを使う場合はひとつまみです。
大きめのボウルに卵を割り入れ、豚挽肉、にんにく、フェンネル、赤ワイン、塩胡椒を入れて手で粘りが出るまで捏ねます。
ミンチをジップロックなどに移してセージ、ローズマリー、ローリエを加え、冷蔵庫で一晩寝かせてマリネします。

ローズマリーとセージの枝は取り除き、テリーヌ型にクッキングシートを敷いてソーセージを詰め、とんとん落として空気を抜いてローリエを上に乗せて蓋をします。
オーブントレーに水をはり底が直接触れないように割り箸などを置いてその上に型を置き、180℃に余熱したオーブンで40分加熱します。
金串を刺して中心温度を確認するとともに串を刺したところから透明な肉汁が流出するようなら火が通っています。
粗熱がとれてから重石をしてしばらく置き冷蔵庫で味を馴染ませます。

平皿にソースを引いて厚めにスライスしたパテを盛り、黒胡椒を挽いてローズマリーを飾れば出来上がり。

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